簿記3級の勉強を始めると、多くの人が最初につまずくのが「仕訳」です。
- 借方と貸方がわからない
- 勘定科目が覚えられない
- 問題文を読んでも手が止まる
このような悩みを持つ方は少なくありません。
私自身、簿記を勉強し始めた頃は仕訳に苦手意識がありました。
問題集を開いても、
「現金は借方だったかな?」「買掛金はどっちだっけ?」
と毎回迷っていました。
しかし、仕訳はセンスではありません。
正しい順番で考えれば、誰でも少しずつ解けるようになります。
実際、簿記3級に合格する人の多くは、特別な才能があるわけではありません。
仕訳のルールを理解し、何度も練習して慣れていっただけです。
この記事では、
- 仕訳とは何か
- 仕訳の基本ルール
- 借方・貸方の考え方
- 勘定科目の5つのグループ
- ホームポジション
について、初心者向けにわかりやすく解説します。
ミズキ「仕訳が苦手」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
Youtubeでの解説動画をあげているので、文章ではなく動画の方が勉強しやすい方はご視聴ください!
➡︎【簿記3級】仕訳の覚え方を完全解説|借方・貸方が苦手な人へ
仕訳は簿記3級で最も重要な基礎


簿記3級を勉強するうえで、最も重要なのが仕訳です。
なぜなら、簿記のほとんどの問題が仕訳からスタートするからです。
例えば、
- 試算表
- 精算表
- 財務諸表
などの問題も、元をたどれば仕訳の積み重ねです。
つまり、
仕訳がわかれば、簿記全体が理解しやすくなる
ということです。
逆に言うと、仕訳があいまいなままだと、その後の学習がどんどん苦しくなります。
そのため、



「最初は仕訳に時間をかけても大丈夫」です
むしろ、その方が後々ラクになります。
仕訳が土台になるイメージ
簿記学習は、よく家づくりに例えられます。
家を建てるとき、
いきなり屋根を作ることはできません。
まずは土台を作ります。
簿記も同じです。
仕訳
↓
試算表
↓
精算表
↓
財務諸表
このように、仕訳が最初の土台になります。
そのため、
「まずは仕訳を理解する」
ことを目標にしましょう。
なぜ仕訳が苦手になるのか


仕訳が苦手な人は非常に多いです。
実はそれには理由があります。
借方・貸方が覚えられない
初心者の方から最も多い悩みが、
「借方と貸方が覚えられない」
というものです。
例えば、
商品を現金で販売した。という問題が出たときに、
「現金は借方だっけ?」
「貸方だっけ?」
と迷ってしまいます。
これは決して珍しいことではありません。
むしろ、多くの人が通る道です。
勘定科目が増えてくる
簿記3級では、さまざまな勘定科目が登場します。
例えば、
- 現金
- 普通預金
- 売掛金
- 買掛金
- 未払金
- 前受金
- 借入金
- 資本金
などです。
最初は数が少ないので覚えられますが、勉強が進むにつれて
「どれがどれだったかわからない」
状態になりやすくなります。
問題文を見ると止まってしまう
もう一つ多いのが、
問題文を見た瞬間に思考停止してしまうことです。
例えば、
「商品を掛けで販売した」
という問題が出たときに、
「見たことある気がするけど思い出せない…」
となってしまいます。
しかし、本来は暗記で思い出す必要はありません。
問題文の中から、
- 何が増えたのか
- 何が減ったのか
を考えれば解けます。
仕訳は丸暗記ではなく型で覚える


ここが非常に大切なポイントです。
仕訳を覚えるとき、初心者の方はどうしても
「全部暗記しよう」
としてしまいます。
しかし、それでは限界があります。
丸暗記には限界がある
例えば、
- 商品を現金で売った
- 商品を掛けで売った
- 商品を現金で仕入れた
- 商品を掛けで仕入れた
- 給料を支払った
- 家賃を支払った
- 売掛金を回収した
など、仕訳のパターンは非常に多くあります。
もし全部を暗記しようとすると、勉強量が膨大になります。



全パターンを丸暗記するのは非効率です
大切なのは考え方の順番


そこで覚えてほしいのが、仕訳は型で考えるということです。
仕訳は次の流れで考えます。
- 勘定科目を見つける
- グループに分ける
- 増えたか減ったかを見る
たったこれだけです。
この考え方を身につけると、
初めて見る問題でも対応しやすくなります。
仕訳とは何か


では、そもそも仕訳とは何なのでしょうか。
仕訳とは、
取引を簿記の形に直すこと
です。
日常の言葉を簿記の言葉に変換する


例えば、
「商品を1,000円で現金販売した」
という取引があったとします。
私たちは普段、このような言葉で出来事を表現します。
しかし簿記では、
何が増えたのか
何が減ったのか
を記録します。
取引を分解してみる


商品を現金で販売した場合、
起きていることは2つです。
- 現金が増えた
- 売上が発生した
このように分解できます。
これを簿記の形にする


すると仕訳は、
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 1,000 | 売上 1,000 |
となります。
これが仕訳です。



最初は難しく見えるかもしれませんが、実際には取引を整理しているだけです。
仕訳の基本ルール


次に、仕訳を書くための基本ルールを確認しましょう。
覚えることは3つだけです。
① 左右に分けて書く


仕訳は、
左側と右側に分けて記録します。
借方 | 貸方
という形です。
② 左が借方、右が貸方


初心者のうちは、
借方=左
貸方=右
と覚えれば十分です。
「借りる」「貸す」
という言葉の意味は気にしなくて大丈夫です。
むしろ考えすぎると混乱します。



まずは、借方は左、貸方は右だけ覚えましょう。
③ 左右の金額は必ず同じ


仕訳では、
借方の金額と貸方の金額は必ず一致します。
例えば、
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 1,000 | 売上 1,000 |
であれば、
借方1,000円
貸方1,000円
で同じです。
これは、1つの取引を両面から記録しているためです。
勘定科目は5つのグループで考える


仕訳を解くうえで最も大切なのが、
勘定科目をグループで考えること
です。
5つのグループ












簿記3級では、勘定科目を次の5つに分類します。
| グループ | 例 |
|---|---|
| 資産 | 現金、普通預金、売掛金 |
| 負債 | 買掛金、未払金、借入金 |
| 純資産 | 資本金 |
| 収益 | 売上 |
| 費用 | 仕入、給料、支払家賃 |
資産とは


資産とは、
会社が持っているもの
です。
例えば、
- 現金
- 普通預金
- 売掛金
- 備品
などがあります。



将来的にお金になるものも資産です。
負債とは


負債とは、
あとで支払う義務
です。
例えば、
- 買掛金
- 未払金
- 借入金
- 前受金
などがあります。
簡単に言うと、
「あとで返したり支払ったりするもの」
です。
純資産とは


純資産は、
会社の元手
です。



代表的な勘定科目は資本金です。
収益とは


収益は、
会社のもうけの原因
です。



代表例は売上です。
費用とは


費用は、
もうけを得るために使ったもの
です。
例えば、
- 仕入
- 給料
- 家賃
などがあります。
勘定科目を暗記しない


ここで大切なのは、勘定科目を単体で覚えないことです。
例えば、売掛金と見たら、まず資産グループと考える。
買掛金と見たら、負債グループと考える。
この考え方が後の仕訳で非常に重要になります。
借方・貸方はホームポジションで覚える


借方・貸方で迷う人におすすめなのが、ホームポジションという考え方です。
ホームポジションとは、
そのグループが増えたときに置く場所
のことです。



この考え方を覚えると、借方・貸方がかなり分かりやすくなります。
ホームポジション一覧


まずは次の表を見てください。
| グループ | 増えたとき |
|---|---|
| 資産 | 借方 |
| 費用 | 借方 |
| 負債 | 貸方 |
| 純資産 | 貸方 |
| 収益 | 貸方 |
覚え方は、
資産・費用は左(借方)
負債・純資産・収益は右(貸方)
です。
最初は理由を深く考えなくて大丈夫です。



まずは、「増えたらどちらに置くのか」を覚えましょう。
資産は増えたら借方


例えば、現金を受け取った場合、現金は増えます。
現金は資産なので、借方へ書きます。
例
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 1,000 | 売上 1,000 |
現金は資産なので借方です。
費用は増えたら借方
例えば、給料を支払った場合、給料という費用が発生します。
費用は増えたら借方です。
例
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 給料 3,000 | 現金 3,000 |
給料は費用なので借方になります。
負債は増えたら貸方


例えば、商品を掛けで仕入れた場合、買掛金が発生します。
買掛金は負債です。
そのため貸方へ書きます。
例
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入 1,500 | 買掛金 1,500 |
純資産は増えたら貸方
例えば、開業時に資本金として現金を受け入れた場合、資本金が増えます。
資本金は純資産です。
そのため貸方になります。
例
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 20,000 | 資本金 20,000 |
収益は増えたら貸方
例えば、商品を販売して売上が発生した場合、売上は収益です。
収益は増えたら貸方になります。
例
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 1,000 | 売上 1,000 |
借方・貸方を最短で覚えるコツ


初心者の方は、
借方一覧
貸方一覧
のように覚えようとしがちです。
しかし、その方法はおすすめしません。
なぜなら、
勘定科目が増えるたびに覚える量も増えてしまうからです。
覚えるのは実質2パターンだけ


仕訳では、
資産・費用は増えたら借方
負債・純資産・収益は増えたら貸方
これだけ覚えれば十分です。
勘定科目ごとに暗記する必要はありません。
ホームポジションを基準にする




例えば、
「売掛金」という勘定科目が出てきたら、まず「資産グループ」と判断します。
資産は増えたら借方です。
つまり、売掛金が増えたら借方となります。



このように考えれば、暗記量を大幅に減らせます。
減ったときは反対側


ここまで理解できたら、減った時の処理は簡単です。
なぜなら、
減ったときは反対側になるからです。
現金で考えてみる


現金は資産です。
資産のホームポジションは借方でした。
つまり、
| 状況 | 記入場所 |
|---|---|
| 現金が増えた | 借方 |
| 現金が減った | 貸方 |
となります。
買掛金で考えてみる


買掛金は負債です。
負債のホームポジションは貸方でした。
つまり、
| 状況 | 記入場所 |
|---|---|
| 買掛金が増えた | 貸方 |
| 買掛金が減った | 借方 |
となります。
全部を覚える必要はない


初心者がやりがちな間違いは、
「増えた場合」と
「減った場合」を
別々に暗記することです。
しかし、ホームポジションさえ覚えていれば、減少は自動的に決まります。



まずは、増えたときの場所を覚えるこれだけで十分です。
仕訳の3ステップ


では、実際の問題を解く手順を見ていきましょう。
仕訳は次の3ステップで考えます。
- 勘定科目を見つける
- グループに分ける
- 増えたか減ったかを見る
ステップ1:勘定科目を見つける


まずは問題文から勘定科目を探します。
例
商品を現金で売った。
この場合、
- 現金
- 売上
が登場します。
まずはこの2つを見つけましょう。
ステップ2:グループに分ける


次に、
それぞれの勘定科目がどのグループかを考えます。
| 勘定科目 | グループ |
|---|---|
| 現金 | 資産 |
| 売上 | 収益 |
となります。
ステップ3:増減を見る


最後に、
増えたのか
減ったのか
を確認します。
今回の場合、
- 現金は増えた
- 売上が発生した
となります。
資産が増えたので借方。
収益が増えたので貸方。
したがって、
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 1,000 | 売上 1,000 |
となります。
練習問題5問
問題1


商品1,000円を現金で売った。
答え
借方:現金 1,000
貸方:売上 1,000
問題2


商品2,000円を掛けで売った。
答え
借方:売掛金 2,000
貸方:売上 2,000
掛けで販売した場合は売掛金を使います。
問題3


商品800円を現金で仕入れた。
答え
借方:仕入 800
貸方:現金 800
現金は資産ですが、
今回は減っているので貸方になります。
問題4


買掛金1,500円を現金で支払った。
答え
借方:買掛金 1,500
貸方:現金 1,500
買掛金は負債です。
負債が減ったので借方になります。
問題5


売掛金2,000円を現金で回収した。
答え
借方:現金 2,000
貸方:売掛金 2,000
資産同士の取引でも、
増えたものと減ったものを見ることが大切です。
仕訳ができるようになる勉強法


最初は解説を見ながらでOK
最初から完璧に解ける必要はありません。
むしろ、
解説を見ながら
「なぜそうなるのか」
を考える方が大切です。
同じ問題を繰り返す
簿記3級では、
理解と反復
の両方が必要です。
新しい問題ばかり解くよりも、基本問題を何度も解く方が効果的です。
声に出して考える
例えば、
現金
↓
資産
↓
増えた
↓
借方
という流れを声に出してみましょう。
意外と定着しやすくなります。
よくある間違い


現金はいつも借方ではない


現金は資産です。
そのため、
- 増えたら借方
- 減ったら貸方
になります。
現金だから借方、
という覚え方は危険です。
勘定科目だけを暗記しない


大切なのは、
グループ × 増減
です。
勘定科目だけを丸暗記すると、
少し問題が変わっただけで解けなくなります。
借方・貸方の意味を考えすぎない


初心者のうちは、
借方=左
貸方=右
で十分です。
「借りる」「貸す」
という意味を考えすぎると混乱しやすくなります。
よくある質問
借方と貸方がどうしても覚えられません
ホームポジションを覚えましょう。
資産・費用は左。
負債・純資産・収益は右。
まずはこれだけで十分です。
仕訳は全部暗記しないといけませんか?
必要ありません。
勘定科目
↓
グループ
↓
増減
の順番で考えれば解けます。
仕訳ができれば簿記3級に合格できますか?
仕訳は簿記3級の土台です。
もちろん他の論点も必要ですが、
仕訳ができるようになると得点力は大きく向上します。
まとめ


仕訳の覚え方で大切なのは、
- 勘定科目を5つのグループで考える
- ホームポジションを覚える
- 減ったら反対側と考える
- 3ステップで解く
ことです。
最後にもう一度お伝えします。
仕訳はセンスではなく手順です。
最初は時間がかかっても問題ありません。


焦らず、
- 勘定科目を見つける
- グループに分ける
- 増えたか減ったかを見る
この順番で考えていけば、必ず仕訳はできるようになります。




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